『虎と月』 柳広司 > 「このミス」完全読破 No.172
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.172
『虎と月』 柳広司 ( 2010年版 ランク外 )
読始:09.3.31 ~ 読終:09.3.31
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この作品は、中島敦の「山月記」をベースにして、それをミステリ小説に仕立て上げたという、一風変わった作品です。
ただ、別に「山月記」の方を読んでいなくても、この「虎と月」だけで何の問題もなく楽しむことができるでしょう。
しかし、読み終えてから考えてみますと、この作品の一番の楽しみ所というのは、“「山月記」を元にどれだけ新たな小説として作り変えられているのか?”といった部分だと思うので、「山月記」を事前に読んでいた方がより楽しめるのは間違いないでしょう。
それに、この原作的な存在である「山月記」というのは、文庫本では9ページのみとかなり短くアッと言う間に読み終えてしまえるし、図書館などでもこの「山月記」が収録されている本は複数所蔵していそうなので、前菜的な感じで軽く読んでしまうことができますからね。
ちなみに自分は、「山月記」を事前に読まずに「虎と月」に手を付けたのですが、それでも十分に楽しめたものの、後で「山月記」を読んでみたら、「この話をあそこまでパワーアップさせてしまうとは!」と恐れ入ってしまいました。やはり「山月記」を読んだからこそ、この「虎と月」の本当の意味での面白さを実感できたのです。
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内容の方は、中国を舞台としたおとぎ話的な感じでして、やはり学生向けの「ミステリーYA!」の作品だけあって、とても読みやすい文章で書かれています。
なので、昨年発売され「このミス」でも2位という高順位にランクインした大人向けスパイ・ミステリ小説であるNo.162「ジョーカー・ゲーム」とは全くタイプの違う作品ですね。
ところが最後まで読んでみると、ミステリ的な狙いや構成的なものが似たように感じられました。なので、タイプが全く違うとはいえ、「ジョーカー・ゲーム」が面白かったという方でも同じように楽しめるのではないでしょうか。
ただ、最初の方はほとんど見せ場的な盛り上がりがあまりなく、淡々と進んでいく感じなので、「ジョーカー・ゲーム」的なものを期待していると、前半部分はちょっと退屈してしまうかも。
しかし、その部分こそが「山月記」と大きくリンクする部分であり、その相違点を楽しむ部分でもあるので、やはり事前に「山月記」を読んでおくべきでしょうね。
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> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 気軽に読める度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.243「ダブル・ジョーカー」
> No.172「虎と月」 > No.162「ジョーカー・ゲーム」
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