『殉教カテリナ車輪』 飛鳥部勝則 > 「このミス」完全読破 No.147
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.147
『殉教カテリナ車輪』 飛鳥部勝則 ( 1999年版 12位 )
読始:08.12.24 ~ 読終:08.12.30
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この作品は、第9回鮎川哲也賞受賞作にして、飛鳥部勝則のデビュー作です。
そしてその内容は、美術ミステリ・絵画ミステリといったところでしょうか。
ただ普通の美術ミステリというのではなくて、この作品がとても珍しいのは、図像解釈学(イコノロジー)という手法を用いてミステリ作品を仕上げているということなのです。
この図像解釈学というのは、作中のセリフから引用してみますと、「作品の主題や意味だけでなく、作品が創られた理由や意味をも探り、歴史の中に芸術を跡付ける。図像解釈学は、図像学よりもっと総合的な学問だと思ってくれればいい」、ということです。
と書いてみても意味はよく解からないと思いますが(こう言われた主人公も理解できていなかったし)、つまりは、その絵が描かれた背景、それは時代的なものだったり、描いた画家の個人的なものだったり、そういった奥深い部分まで掘り下げて研究しようという学問なのです。
まあこれでも解かりにくさは変わらなそうですが、とにかく説明するよりも実際に読んでもらえれば、この図像解釈学のこと、そして図像解釈学とミステリとの融合具合の面白さはすぐに解かってもらえるのではないかと思います。
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というように、図像解釈学という特殊な効果でもって独特な味わいのミステリ作品となっているのですが、ただその一方で、オーソドックスなミステリ小説としての部分も展開していきます。
こちらの方もなかなか読み応えあって面白かったのですが、やはり読後に印象に残っているのは図像解釈学が絡んだ部分ですね。
それは、主人公がその中から真相を見出そうと熱心に検証することになる絵が、とても奇妙で妖しくて薄気味悪い感じなのに、なぜだかわからないんだけど惹かれてしまう、といったところも理由の一つなのではないでしょうか。
そしてその絵というのは、作品の冒頭(カラー)や作中(白黒)などに掲載されているので実際に見ることができるのですが、なんとこの絵は、作者自身が描いたものなのです。この“自分が描いた絵を利用してミステリ小説を構築する”という企みが、なんとも斬新で面白いですよね(ちなみに、文庫版の表紙絵は作者による作品ではないです)。
全体的には結構地味めで渋くて玄人好みな感じもしますが、一度読んでみたらこの絵の印象と共に強烈に記憶に焼き付くと思うので、曲者好きの方なんかに特にオススメです。
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> 個人的評価 : ★★★★★ ☆☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★★★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★★
熱アクション度 : ★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★★ 人間味ドラマ度 : ★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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