『オリンピックの身代金』 奥田英朗 > 「このミス」完全読破 No.154
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.154
『オリンピックの身代金』 奥田英朗 ( 2010年版 21位 )
読始:09.1.21 ~ 読終:09.1.25
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「最悪」(2000年版7位)、No.18「邪魔」(2002年版2位)で「このミス」の上位常連になるかと思われた奥田英朗ですが、その後は「このミス」の範囲内からは外れてしまうような作品へとシフトチェンジしていきました。
そして「イン・ザ・プール」、「空中ブランコ」(直木賞受賞)、「サウスバンド」など、その後に発表された作品の方が、奥田英朗作品としての一般的知名度は上なのではないでしょうか。
しかし、この新作「オリンピックの身代金」はサスペンスということで、久々に「このミス」領域のど真ん中を直撃するような作品となりました。大物が帰ってきたって感じですね。
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サスペンスといっても、2009年版で1位となったNo.125「ゴールデンスランバー」伊坂幸太郎のような、めくるめく展開やスピード感溢れるストーリーといった感じではなくて、むしろ真逆な印象ですね。
とにかくサスペンス的なストーリーとしては亀の歩みのようにゆっくりなのですが、その分、複数の主人公やその周囲の人物達の描写に力が入っているのです。
元々魅力的なキャラクター揃いで、“このキャラをこんな脇役として使ってしまうのはもったいない”ってくらいの人物が数多くいるのですが、そんな登場人物達の行動や思考をじっくりと書くことで、ゆっくりとしたストーリーがとても幹が太く濃密なものに感じられますからね。
それで、クライマックスが近づく頃には、それぞれのキャラクターに対する思い入れというのがかなりのものになってしまったので、人事ではないように感じるくらいに作品世界にのめり込んでしまいました。
あとやはりこの作品の魅力てしては、東京オリンピックを間近に控えた1964年当時の日本の情勢を擬似体験できるというところもあるでしょう。この部分でより楽しみたいならば、市川崑監督による記録映画「東京オリンピック [DVD]」なんかを事前に観ておくとよいかもしれませんね。
というわけで、派手さはないけれど、じっくりと作品世界に浸るほどに読ませてくれるので、どちらかといえば玄人好みの作品なのではないでしょうか。
結構な分厚さなうえに二段組というボリューム感にも、長すぎると思う人もいれば、それでも物足りないと思う人もいるでしょうね。自分はもちろん後者でして、“あのキャラクターを主役にしてもっと読みたいな~”っていう登場人物が何人もいるくらいですからねェ。
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> 個人的評価 : ★★★★★ ★★☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★ 気軽に読める度 : ★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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> No.249「無 理」
> No.154「オリンピックの身代金」 > No.18「邪 魔」
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