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2009.01.03

『儚い羊たちの祝宴』 米澤穂信 > 「このミス」完全読破 No.140

「このミステリーがすごい!」完全読破 No.140

 『儚い羊たちの祝宴』 米澤穂信   ( 2010年版 17位 )

   読始:08.12.16 ~ 読終:08.12.17

儚い羊たちの祝宴儚い羊たちの祝宴
米澤 穂信

新潮社 2008-11
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 「このミス2010年版」対象作品最初の読了がこの作品となりました。しかし、これを読んでいたのはまだ2008年だったのにそれが「2010年版」対象作品だというのも、あまりピンと来ませんでしたけどね。

 それでこの作品は、「あらゆる予想は、最後の最後でくつがえされる。すべての作品でラスト1行のどんでん返しにこだわり抜いた、高濃度の暗黒連作ミステリ」といった説明が帯などでされています。

 となると、No.2「葉桜の季節に君を想うということ」歌野晶午No.68「イニシエーション・ラブ」乾くるみ級の強烈などんでん返しが何作も収録されているのか!と期待してしまいます。

 ただ実際には、最後の1行で天地が引っくり返るような驚きがあるようなタイプの作品ではないので、そこを期待して読んでしまうと、もうガッカリしまくりとなってしまうでしょう。

 幸いにも自分はその情報だけは仕入れた状態で読んだので良かったのですが、もしこのことを知らずに読んでいたら、この作品に対する評価や印象は、今とは全く違うものになっていたでしょうね.....。

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 米澤穂信の作品といえば、現代的な舞台で、青春物で、持ち味でもあるキャラや作風の軽さなどが共通した特徴だと思っているのですが、この作品は“米澤穂信の作品”を読んでいるということをすっかり忘れてしまうくらいにガラリと印象が変わっていました。

 まずは、時代設定が一昔前であること。そして、主人公は他の作品と同じように学生なのですが、それでも立場や口調や人間関係なんかにその時代的な古い感じが垣間見えるので、これまでの作品とは全く違う雰囲気をまとっているのです。

 そんな中で謎めいた事件が起き、“最後の1行で驚愕のどんでん返し”は大袈裟とはいえ、驚くべき仕掛けが用意されているし、それに伴ってしっかりとしたオチが出来上がっているので、なんか自分には暗黒風御伽噺を読んでいるような感じで楽しみました。

 あと、それぞれの話が独立した短篇集のようなのですが、しかしある一点で話の繋がりが出来ていまして、これが最後に素晴らしいスパイスとして効いているので、この何気ない繋がりが上手いなと思いましたね。

 というわけで、“「ラスト1行のどんでん返し」に期待をせずに読む”という条件付きながら、これまでの米澤穂信の作品好きの方にも、まだ1冊も読んだことがない方にもお薦めです。そして、これまでの作品がちょっと苦手だったという人も、この作品で再挑戦してみてはいかがでしょうか。
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  > 個人的評価 : ★★★★☆ ☆☆☆☆☆


   本格ミステリ度 : ★★★      鬼畜グログロ度 : ★★★
   ビックリ驚愕度 : ★★★★      おどろおどろ度 : ★★★★
   熱アクション度 : ★★        主キャラ魅力度 : ★★★
   恋愛ラブラブ度 : ★         人間味ドラマ度 : ★★★
   下ネタエッチ度 : ★         感涙ウルウル度 : ★★
   衝撃バカミス度 : ★★        読み終り爽快度 : ★★

  * <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!


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