『新世界より』 貴志祐介 > 「このミス」完全読破 No.126
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.126
『新世界より』 貴志祐介 ( 2009年版 5位 )
読始:08.10.5 ~ 読終:08.10.30
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貴志祐介といえばやはり代表作はNo.12「黒い家」で、自分もこれしか読んでいないのですが、そのためにホラー作家としてのイメージのみがインプットされた状態です。そのくらい怖く恐ろしい作品でしたし。
そんな貴志祐介がエンターテイメント作品を手掛けて、しかも某評論家が称するに「出だしはハリポタ風」とのことなので、一体どんな作品になるのか全く予想がつきませんでした。
それでいて評判はかなり良い感じだったので、もう期待しまくりで読むのが待ち遠しくなってしまいましたねェ。とはいえ実際読むのはずいぶん経ってからになってしまいましたが。
それで実際読んでみたら、ホントに出だしは“ハリポタ風”という表現がピッタリなくらいのファンタジーでした。ただ舞台が(時代が違うとはいえ)日本で、出てくるのもみな日本人なので、「ハリーポッター」の世界よりも身近な分、物語にリアルさが加わっていたように感じました。
その後も「ハリポタ」風ファンタジーな話が進んでいくのかなと思っていたら、最初は方向性が同じだったのだけれど、徐々に自分が思い描いていた貴志祐介作品的なものが見え隠れしてくるうちに、進む向きが次第に反れていき、ファンタジーの世界なんだけれど妙に現実的というか大人的というか、華やかなファンタジーさよりも妖しいミステリアスさ&グロテスクさが少し浮き上がってきましたね。
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そんな感じで“貴志祐介的ファンタジー”をを楽しんでいたつもりだったのですが、「黒い家」を読んでからずいぶんと日が経っていたこともあってか、どうやら“貴志祐介的”というものを見誤っていたようなのです.....。
というのも、物語も終盤に入ったところで、突如とホラー的展開となってゆくのですが、これがもうハンパじゃないほどの迫力なのですねェ。
とにかく怖さ・恐ろしさというのが「黒い家」に通じるようなタイプのもので、なんか表面的でいかにもな恐怖というのではなく、心の芯まで震え上がるような、とにかく圧倒されるような恐怖なのです。
そんな恐怖に襲われ巻き込まれているのが、それまでじっくりと読んで味わってきた世界なだけに、その恐怖は我が身に降り掛かっているように感じてしまいました。
この終盤はまさに“貴志祐介の真骨頂!”って感じでしたが、そこに至るまでの展開や世界観なども、こちらの想像の枠を超えているようなものばかりなので、もう圧巻の一言でしたね。読み終えた時には「ホントにすごいものを読んでしまった.....」ってなりましたから......。
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> 個人的評価 : ★★★★★ ★★★☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★★★
熱アクション度 : ★★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★★★★ 感涙ウルウル度 : ★★★
衝撃バカミス度 : ★★ 読み終り爽快度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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コメント
はじめまして。「このミス リスト」で検索したら、こちらのサイトを偶然発見しお邪魔しました。自分もつい先日、「新世界より」を読み終えたのですが、貴志さんの作品の中では一番だと感じました。2009年度版の「このミス」のベスト10にランクインしそうですね。
ところで、管理人さんはたくさん本を読んでいらっしゃいますが、図書館で借りているのでしょうか、それとも購入されているのでしょうか?すごく気になったので質問させていただきました。
投稿: 東風 | 2008.11.18 23:25
コメントどうもありがとうございます。
自分は、ハードカバー本を何冊も買えるような余裕は残念ながらないので、発売したばかりの本は図書館で借りるのがほとんどで、たまに購入する感じですね(最近ではこの「新世界より」や「聖女の救済」なんかを買いました)。
なので、予約数が多くなって借りるまで時間がかかりそうな人気作品は、なるべく予約開始日に予約して早めに借りれるようにしています。この技(というほどでもないけど)は最近になって習得したのですが。
一方文庫本は、「このミス」ランクイン作品を文庫で収集していることもあって、ほとんどが買って読んでいます。ただ、あまり大きい声では言えませんが、古書店の100円コーナーで買うことが結構多いですね。
まあ、読みたい本は普通に本屋で新刊を購入して読むことができるようになりたいのですが、まだしばらくは図書館のお世話になりそうです....。
投稿: けんじ | 2008.11.19 00:20
自分はハードカバー本はほとんど買ったことがないです。価格が高いというのもあるのですが、文庫化されると加筆修正されるパターンが多いので文庫が出るまで待つことが多いです。それでも文庫化されるまで早くても2、3年かかってしまいますから自分も図書館を結構利用しています。しかし人気がある作品はかなり待ちますね。宮部さんの「おそろし」を2ヶ月ぐらい前に予約したのですが、200人ぐらいの予約待ちなんです。来年になっても借りられそうにないので、買った方が早いかもしれませんね。
今度読みたい新刊があったときは、けんじさんのように予約開始日に予約したいと思います。
ところで、けんじさんは海外ミステリーは読まれないのですか?k・ハイアセンの作品は結構面白いですよ。
投稿: 東風 | 2008.11.21 20:48
文庫化の際の加筆修正を気にしているのは同じなんですが、自分の場合はそれが理由で逆にハードカバーの方をなるべく読むようにしているのですよね。
それは、やっぱり“「このミス」完全読破”と名付けてやっているわけなので、なるべく「このミス」で評価されたバージョンのを読みたいな、と思っているからです。
文庫化されると全く別作品のように変わってしまうという高村薫作品なんかは特にそうですね。なので、「照柿」はすでに文庫本で買っているものの、まずは分厚く重いハードカバーの方を借りて読まねばならないのです....。
あと、東野圭吾・宮部みゆき・伊坂幸太郎といった辺りの人気作家になると、予約開始日当日に予約したとしても順番が来るまでかなりかかるので(横浜市立図書館の場合)、早く読みたいような時は思い切って買ってしまった方が良さそうですね。
「聖女の救済」を購入したのがまさにこの理由で、予約開始日当日に予約したものの、今年中に読めなそうだったので、思い切って買ってしまいました。
それと海外物は、他の人の感想を読んだり「このミス」の海外コーナーなんかを見て“読んでみたいな~”と思ったりもしています。
ですが、「このミス」の対象となるような小説を読み始めてまだ3年にも満たないので、国内物で“早く読みたい!”と思っている本が結構溜まっている状態でして。
そしてその出番を待っている本のリストは、減るどころか逆に日々増えている感じなので、海外物まで手を伸ばす余裕は今のところないのが現状なのですよね....。
ただ、いずれは海外物も読みたいと思っているので、その時は東風さんお薦めのハイアセンの作品を真っ先に読んでみますね。
投稿: けんじ | 2008.11.22 19:59