『ゴールデンスランバー』 伊坂幸太郎 > 「このミス」完全読破 No.125
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.125
『ゴールデンスランバー』 伊坂幸太郎 ( 2009年版 1位 )
読始:08.10.16 ~ 読終:08.10.17
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この作品は、ホントは発売して間もないうちに読んでおくつもりでいましたが、特に理由があったわけではないのだけれど、なんだかんだで伸び伸びになってしまいました。
そうこうしているうちに、「本屋大賞」や「山本周五郎賞」を受賞するなど、この作品を巡って凄い盛り上がりとなってしまいました。特に「本屋大賞」受賞によりどこの書店に行っても大々的に宣伝されるようになったので、少々捻くれ者の自分には手の出しにくい本となってしまったのです......。
そんな好意的な評価がある一方で、「それほど大したことはない」などこのフィーバーに疑問を投げかけるような意見も多く目にしてもいたのですよね。
やはり自分が読む前には他者の評価や予備知識というのはなるべくインプットせずに、偏見を持たずに出来るだけ真っ白な状態で読みたいものですが、この作品に対しては事前にかなりの量の情報が入ってきてしまったので、どうも読む気になれず、結局発売から1年近くも経ってしまいました。
ただ、それだけ時間を開けた影響からか、変に穿った目線で読んだり斜に構えて読んだりってことはなく、素直な気持ちで読み進めることができましたけどね。
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それで中身の方ですが、主人公がいつのまにか事件の渦中に放り込まれ、状況が掴めない中での逃亡劇が始まる、サスペンス風味溢れる作品です。
その事件については最初に、第三者がメディアを通して見たリアルタイムな状況と、事件から20年後の情報が書かれているので、大まかなあらましについてはあらかじめ読み手に提示されています。
その後に主人公自身が体験した話に入っていくわけですが、メディア目線で伝えられた事件の概要が、主人公目線(および関係者目線)で見た時どのように変化するのか、これがこの作品の見所・読み所ですね。この変化の中で、細部にまで張り巡らされた伏線が縦横無尽に回収されていく様は、もう見事としか言いようがないです。
そしてこの作品のテーマの一つであろう「メディアから一方的に流される情報というのは全てが正しいというわけではないんだよ」というのが、ちょうどこの本を読む直前にロス疑惑の三浦和義氏の自殺騒動があったこともあり、「三浦和義事件」島田荘司 (角川文庫)を思い出してしまいました。
この作品も、前半でロス疑惑について一般的に認識させられているメディア目線での情報を伝え、後半で作者の取材による情報を三浦和義目線で伝えているのですが、その両者のあまりの違いように驚いたものです。この時と同じ感覚をこの「ゴールデンスランバー」を読んでいてぶり返されました。
あと、伊坂幸太郎特有の洒落た言い回しは、やはりサスペンス物ということもあってかいつもより控え目な感じなので(といっても自分はまだ「重力ピエロ」と「アヒルと鴨のコインロッカー」しか読んでいないのですが)、この伊坂節が苦手だという人でも、この作品ならいくらか大丈夫なのではないでしょうか。
といっても伊坂節が全くないのではなく、随所に散りばめられているのですが、これがサスペンスという緊迫した話の流れの中で絶妙な味付けになっているように、自分には感じられましたね。
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> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
本格ミステリ度 : ★★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 読み終り爽快度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 “伊坂幸太郎” 関連記事 】
> No.125「ゴールデンスランバー」
> No.84「アヒルと鴨のコインロッカー」 > No.21「重力ピエロ」
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