『落下する緑』 田中啓文 > 「このミス」完全読破 No.82
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.82
『落下する緑』 田中啓文 ( 2007年版 14位 )
読始:08.4.4 ~ 読終:08.4.9
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この作品は、大変珍しいジャズ・ミステリーです。
っていっても自分はまだミステリ歴が浅いんで、ジャズのミステリがホントに珍しいのかわからないのですが、「このミス」でも“ありそうでなかったジャズミステリー”と説明されているので、やっぱり珍しいんでしょうねェ。
それでジャズに関心がない人にしてみたら、ジャズといえば“難解で敷居が高くて地味”な印象があるのではないでしょうか。
自分自身はまさにそんな感じで、この“ジャズ・ミステリー”にも読む前は同様のイメージがあったのですが、これが全然難しいところがなく、敷居もちょうどいい高さで、派手とはいわないけれど地味で暗いなんてことは全くありませんでした。まさに“読まず嫌い”でしたね。
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そして内容の方は、ジャズバンドの2人が行く先々で謎にぶつかりそれを解決していく連作短編集で、殺人事件など起こらないいわゆる「日常の謎系ミステリ」です。だけどその“謎”の種類がジャズに限ったものだけではないので、各話の色がそれぞれ個性的に出ていて飽きずに楽しめます。
まあ各話のタイトルには、表題曲の「落下する緑」を筆頭に、「揺れる黄色」、「反転する黒」、「遊泳する青」など、必ず色の名前が付いているのですけどね。
主人公2人のうち探偵役を務めるのは、自分の楽器であるテナーサックスに関することになると好奇心旺盛なんだけど、それ以外のことには全く興味を示さず、一般常識もかなり疎いような人なのです。なんだけど、テナーサックスを手にすると天才的な演奏を披露し、謎を前にすると天才的なひらめきにより解決してしまうという、なんとも魅力的なキャラクターです。
それで読んでて思ったのですが、普段はバカキャラで一般常識もあまりないのに、一度馬に跨れば天才的な感性で好騎乗を連発する岩田康誠ジョッキーとキャラがダブるんですよね。たぶん岩田騎手を知っている人がこの作品を読めば、“まさに瓜二つ!”と思うはずです。
そしてやはり“ジャズ・ミステリー”というだけあって、ジャズの演奏シーンもふんだんに盛り込まれているのですが、これがとにかく素晴らしいのです。ジャズを知らない自分が読んでも、実際に音を聴いている以上の迫力や熱狂や感動を味わうことができました。まさに圧巻で、文章だけでここまで素晴らしい“音”を感じることができたことに信じられないくらいですからね。
なので、これまであえて手を出さずにいた“ジャズの世界”に、この作品をキッカケにして首を突っ込み始めてしまったほどなのですが、これだけの影響を与えられてしまったのですから、★5つの満点評価は当然ですね。
“音楽好きのミステリ読み”の方には特にオススメの作品です。このグルーヴ感を味わってみてください。
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「落下する緑」 田中啓文 個人的評価 : ★★★★★
本格ミステリ度 : ★★★ 鬼畜グログロ度 : ★
ビックリ驚愕度 : ★★ おどろおどろ度 : ★
熱アクション度 : ★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★ 人間味ドラマ度 : ★★★
下ネタエッチ度 : ★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★★ 読み終り爽快度 : ★★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
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