『屍蘭 新宿鮫III』 大沢在昌 > 「このミス」完全読破 No.75
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.75
『屍蘭 新宿鮫III』 大沢在昌 ( 1994年版 15位 )
読始:08.3.14 ~ 読終:08.3.17
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新宿鮫シリーズの2作目以降には、「毒猿」「無間人形」「炎蛹」「氷舞」など、漢字ニ~四文字のサブタイトルが付けられているのですが(っていうかこっちがメインタイトル?)、特殊な漢字を使っているわけでもないのに、奇妙で独特で味わい深いものがあり、とてもセンスが感じられますね。
そんな中でも自分が一番心惹かれていたタイトルが、今回紹介する「屍蘭」なのです。
豪華で優雅で艶やかで、まさに生命力が輝いているような“蘭”という言葉の前に、すでに生命力が失われてしまい、まさに朽ちてゆく状態にある“屍”という言葉が付いて、“屍蘭”。この対照性がなんとも素晴らしいですね。“しかばね・らん”という語感の響きも最高です。
ただ、実際にこの作品を読み終えてみたら、もうこれ以外のタイトルはありえない!ってぐらいにドンピシャなタイトルなのです。だから読み終えて一番心に残ったのが、この“屍蘭”というタイトルが付けられた意味、でしたから。
この二文字に作品の全てが詰め込まれている、といったら大袈裟ですが、でもこの作品を表すのにこれ以上の言葉はないですからね。しかもそれを“たったのニ文字”で表してしまうのだから、もう感服です。
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内容の方は、裏世界の人間との争いを描いた前2作とは違って、今作の鮫島刑事の相手はごく一般の普通の人物です。まあ実際には裏社会側に属しているとも見えますが、でも前2作と比べれば明らかに一般人といえるでしょう。
それなのに、いやそれ故にか、鮫島刑事は今まで以上に苦戦することになるのですねェ。この苦戦ぶり、そしてそれを乗り越えていく姿に、この主人公の新たな魅力が見えてくるかもしれません。
そして前2作に比べると“大作感”は影を潜めてしまうのですが、これまでとはまた違ったタイプの作品のようであり、それでもやはり紛れもなく“新宿鮫シリーズ”であるので、前2作が好きなら引き続き楽しめると思います。
それから今回読んでみてわかったのですが、区切りが頻繁に出てきて、その都度場面や視点が変わっていくので、それでリズムが生まれてテンポ良く読み進めることが出来るんですね。
だから、次の区切りで一先ず休憩しようと思っても、それまでリズムに乗って読んできて加速が付いてしまっているので、目の前の区切りで急ブレーキをかけることは出来ないのです。だから“もう一つ先、もう一つ先.....”と止められなくなってしまいました。
このテンポの良さも、新宿鮫シリーズの一つの魅力なのではないでしょうか。
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「屍蘭 新宿鮫III」 大沢在昌 個人的評価 : ★★★☆☆
本格ミステリ度 : ★ 鬼畜グログロ度 : ★★
ビックリ驚愕度 : ★★★ おどろおどろ度 : ★★
熱アクション度 : ★★★★ 主キャラ魅力度 : ★★★★
恋愛ラブラブ度 : ★★ 人間味ドラマ度 : ★★★★
下ネタエッチ度 : ★★ 感涙ウルウル度 : ★★
衝撃バカミス度 : ★★ 読み終り爽快度 : ★★★
* <個人的評価&項目別評価>の説明はこちら!
【 過去の 大沢在昌 作品 】
> No.27 「新宿鮫」 > No.43 「毒猿 新宿鮫II」
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