『離れた家』 山沢晴雄 > 「このミス」完全読破 No.63
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.63
『離れた家』 山沢晴雄 ( 2008年版 6位 )
読始:07.12.26 ~ 読終:08.01.07
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本来なら“No.62 「痙攣的」 鳥飼否宇”の順番なのですが、ちょっと訳ありで一つ飛ばしまして、この作品からご紹介。
この作者は、投稿作が雑誌に掲載された1951年にデビューとなったものの、あくまでアマチュア作家で居続けたため、単独作家としての単行本発売は今作が初となります。
それまでは、掲載雑誌やアンソロジー本を古書店などで漁らなければ読むことができなかったようなので、そうやって読んでいた人達にはこの単行本刊行はなんとも感慨深いものだったそうです。
そしてこの作家の評判としては、とにかく“難解”であると。ミステリ作家や評論家をもってしても“難解”であると。どの雑誌を見てもこの“難解”という文字は当たり前のように記されていました。
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それでいよいよこの“難解”と評判の作品を読んでみました。
探偵・砧順之介シリーズ4編から成る第一部、ノンシリーズ6編から成る第ニ部、そして表題作の中篇「離れた家」の第三部と、大きく分けて三部構成となっているのですが、どの作品も“謎解きトリック”を主題としているため、他の小説にあるような“物語の背景”や“人物描写”などは極力抑えて書かれていました。
その分“謎解きトリック”の部分が綿密にじっくりと書かれているのですが、これが意外と面白かったですね。特に表題作「離れた家」なんかは、謎解きトリックがまるで精密機械のようで、いくつもの細かな部品が複雑に絡みあい、そのうち一つがズレただけで全てがバラバラになってしまいそうな中、キッチリと絡み合い動いているようで、なんか“芸術作品”って感じで驚きながら読んでましたね。
ただ確かに“難解”であることは確かで、一編一編をじっくりと集中して読まなければ全く理解できないし、“「離れた家」の謎解きトリックを説明せよ”と問われても、見当違いな答えしか出てこないかもしれません。でも、この“難解な作品”に挑んでいくこと自体が面白かったということもありますからね。これは、読む前に評判を聞いて覚悟していたからこそなのかもしれませんが。
とまあやっぱりこの作品の謎解きトリックは“難解”であるとは思いますが、この作品自体を楽しむことはそれほど“難解”ではないでしょう。
読む度に新たな発見が出来ると思うし、ハマる人はとことんハマりそうですね。自分もかなりハマりまってしまいました。第二弾の刊行が今から楽しみです。
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「離れた家」 山沢晴雄 個人的評価 : ★★★☆☆
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