『制服捜査』 佐々木譲 > 「このミス」完全読破 No.48
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.48
『制服捜査』 佐々木譲 ( 2007年版 2位 )
読始:07.10.19 ~ 読終:07.10.23
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以前に読んだこの作者の作品は、1995年版2位のNo.24「ストックホルム密使」というバリバリの冒険物だったのですが、2007年版2位のこの作品に、2008年版1位の「警官の血」と、最近では警察物で高い評価を受けています。
まあ今はこの作者に限らず“警察物”が大ブームとなっていて、その先駆けとなったのが横山秀夫だと思うのですが、その現在のブームいうのは、警察の中でも昔からあるような事件を捜査する“刑事”が主役ではなく、それ以外のあまり小説では扱われないような役職の警察官が主役を努める話が人気を集めているのです。
そしてこの作品もその例に漏れず、元“刑事”ではあるものの、北海道警の不祥事のあおりを受けて玉突き人事的に田舎町の駐在所勤務となった警察官が主人公となっています。
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舞台が都会ではなく田舎町なので、そうそう事件など起きはしないのですが、そのため事件が起こったとなったら大事へと発展していきます。そうなると元敏腕刑事の腕が鳴るところなのですが、現在の任務はあくまで駐在所警官。捜査権などもちろんなく、事件に対して駐在所警官が出来ることは、限られてしまいます。
そんな葛藤の中、田舎町という狭い世界だからこそ裏ではびこる隠蔽体質などがわかってきたりして、所詮余所者の主人公はそこでも葛藤を抱えることになるのです。
そういった目に見えたり見えなかったりの圧力に対して主人公は、逃げることなく、なあなあに馴れ合うでもなく、自分が最良だと思う行動で立ち向かっていくのです。それもあくまで“駐在所警官”という職務の範囲内で。
これが凄く格好良いのですよね。自分が正義のために行動したいのにその権利を与えられていない。それでも自分が出来る範囲で出来るだけのことを行っていくその姿は、スーパーマン的なキャラクターではなく、どこにでもいるような等身大の人物であるため、より格好良く感じるし、その行動に熱く胸を打たれるのです。
だからこの作品を読むと、物凄い勇気をもらうことができますね。自分に出来ることは少ないかもしれないけれど、それでもその中で出来ることはたくさんあるんだ、と。
この等身大のヒーローが活躍するこの作品は、派手さはないものの、じんわりと熱く胸に響く素晴らしいものなので、ぜひとも味わってみてください。
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「制服捜査」 佐々木譲 個人的評価 : ★★★★☆
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