『奇術探偵曾我佳城全集』 泡坂妻夫 > 「このミス」完全読破 No.29
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.29
『奇術探偵曾我佳城全集』 泡坂妻夫 ( 2001年版 1位 )
読始:06.12.26 ~ 読終:07.01.26
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主人公がマジシャン。脇を固めるのもマジシャンやそれに関係した人たち。そんな一風変わった登場人物で綴られる短編集で、事件とマジックや手品が絡んで話が進んでいきます。
ただこのマジックや手品の描写がかなり凄くて、それだけを読んでいても「奇術書」として充分楽しめてしまいます。
それもそのはず、この作者は、ミステリ作家であり、紋章上絵師であり、マジシャンでもあるのですからねェ。だからマジックの描写が本格的で凄く面白く読めるのも頷けるわけです。
ただそのマジックも、大掛かりなものもあれば子供でも披露できるようなものもあり、それに付随する話や事件も、殺人事件にまで発展するものもあれば身近な些細な出来事もあり、マジックの取り扱い方も、話の重要な部分に出てくるのもあればそっと花を添える程度のものもあり。
そして主人公の曾我佳城も、主人公でありながら話によっては脇に行ったり、意外な形で現れたり。つまり、手品やマジック、そして曾我佳城を中心にしているものの、22の短編それぞれが実に様々な色を持っていて、全く飽きることなく楽しめるのです。マジックの種類も豊富ですしね。
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そして最後の話になると、それぞれの短編が一つの話の流れであったことがわかり、物語の終焉を迎えたことがわかります。まさに大団円って感じで。
が、やっぱり“ミステリ作家”だけあって、最後にアッと驚く出来事が用意されていました。これを読んじゃえばもう完全に短編集だとは思えずに、1つの長編小説だと思っちゃいますね。それほどこの曾我佳城を主人公とした物語が全て完結するのに納得できるほどのインパクトを与えられたのです。
って上手く説明できてませんが、それまでの21に分かれていた短編が、一つの固まりと化して、それに“終”という巨大な判子をド~ンと押して、これにて完結。と潔く思えるくらいにインパクトある最終回、って感じでしょうか。よくわかんないか。
まあこの話自体、1980年に第一作が発表され、最終回が発表されたのが2000年。つまり20年もの年月を費やして書かれた大作なのです。
そんな20年物の大作の最後がこんなインパクトあるものとは....。20年の重みがある分だけ衝撃ですよね。
ただこれは“短編”としてとても楽しめる小説なんで、一篇ずつ時間をかけて読んでいって、頭の中を“短編モード”にしといて、最後に衝撃を受ける.....といった感じで読むといいのではないでしょうか。
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> 個人的評価 : ★★★★★ ★☆☆☆☆
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> No.270「鬼女の鱗」 > No.258「奇跡の男」
> No.95「生者と死者」
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