『邪魔』 奥田英朗 > 「このミス」完全読破 No.18
「このミステリーがすごい!」完全読破 No.18
『邪魔』 奥田英朗 ( 2002年版 2位 )
読始:06.7.18 ~ 読終:7.21
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『空中ブランコ』で直木賞を受賞したことで一躍トップ作家の仲間入りとなったわけですが、ミステリ界ではすでにこの作品によって知名度をグンッ!と上げていたのです。
そういえば以前「KICK OFF F・Marinos」で上野良治選手がこの作者の本を薦めていたのですが、その時に「有名になる以前から読んでいた」と言ってたので、それは前作『最悪』やこの本のことを言ってたんでしょうねェ。その時にも「上野さんが薦めるなら読んでみようかな~」とも思っていたわけですが、今頃になってやっと読むことになりました。
それで内容なんですが、自分が映画やドラマや小説などを見ている時に、最も忌み嫌うパターンのものでした。
というのは、善良な登場人物に対して、“そっちの方へ進むと状況悪くなっちゃうよ~”とわかっているのに、それを見守ることしかできず、その善良な登場人物は自ら最悪な状況へと次々に足を進めていく.......。というパターンです。このパターンの話を観たり読んだりするのは、強制されない限りは避けて通りたい道ですからね。
だから今回も、“人気の奥田英朗”ということで物凄く期待して読み始めたものの、次第にそのパターンへと進んでいったので、もう読むの止めたくなっちゃいました。
でもまあせっかくだから最後まで....、と読み進めていくと、そのドツボにハマってく登場人物は、落ちるところまで落ちたらそこで思いっきり吹っ切れちゃったんですよね。今まで精神的に溜めに溜めてきたものが一気に大噴火したみたいで、その切れ方がもう読んでて快感で......。だから最初は“自分が最も忌み嫌うパターン”だったのに、逆にそれが後半のハチャメチャっぷりに快感を覚える起爆剤になっていたんですねェ。
あと読んでて気になったのが、なんかストーリーがこれからどこに転がっていくのか予測不能で、すごく不安定に感じたことです。このアンバランスさが、この作品に非常に効果的に働いていたと思うんですよね。そして自分としても、“きっちりとしたストーリー”は凄いな~と感心するものの、こんな“不安定なストーリー”の方が魅力を感じるし、断然こっちの方が好きですね。
てなことを考えてたら、やはりこの作者は、始めからストーリーを決めてから書くのではなくて、どんな方向にストーリーが進んでいくのか作者自身も楽しみながら書いているそうです。だからこそこの“魅力的な不安定さ”が満ち溢れた作品が出来上がったのですね。
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でもこの作品の自分的な評価といいますと、後半で吹っ切れてからは凄く楽しめたものの、やっぱりそれまでが読んでて辛かったし、それに主人公二人とも可哀想なのにはかわりないので、高くは付けられないんですよねェ......。
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「邪魔」 奥田英朗 個人的評価 : ★★★☆☆
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